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VI 考察
今回私達は、対象となる患者を理解した上で個別性のある清拭方法を選択し、安全・安楽に実施できることを目標とした指導案を作成した。
その際、指導者自らがこの患者を理解する為、肝硬変について学習し肝硬変患者の看護の実習指導及び、壮年期肝硬変患者の看護過程を展開してどのような清拭が、この患者にとって良い方法であるのかを考えてみた。自分達の思考を討議する過程において、清拭が個別性のない業務化された方法となっていた点について反省させられることが多く、患者との深いかかわりが持てる清潔の援助を考える良い機会となった。
学生が、患者に適した方法を選択するにはその根拠を明らかにし、どのような方法が患者にとって最適であるか、考えなければならない。その上で、安全・安楽に実施できる技術を身につける必要がある。
実習にかかわる指導者は、学生の成長に大きな影響を与える。私達グループのメンバーは指導経験のない者、指導者として積極的でなかった者で、今回の全身清拭の実習指導案作成及び、その過程は困難であったが、専門職の看護婦としてどうあるべきか、臨床実習の指導者としてどうあるべきかを考える機会となった。
指導者としての意図的なかかわり方として
1. 指導者がしっかりした看護観を持つ。
2. 指導者白身が多くの知識とすぐれた技術を持ちモデルになる。
3. 青年期の学生の特性を理解する
4. 学生のレディネスを把握し、能力に応じた助言をする。
5. 学生が対象の理解と、知識・技術・態度とを統合して考えられるような指導をする。
6. 常に学生に目を向け、放ったらかしにしない。
7. 「待つ」という姿勢を忘れない。学生が気付くまで待つ。
8. 意欲が持てる、達成観を味わえる指導をする。
わかったこと、できたことはほめる。
以上のことが、大切であると考える。
VII おわりに
より良い指導案作成を目指しての日々の討議は、方向性が見い出せず行き詰まることが多かった。しかし、個々がお互いの意見を出し合ってのグループワークは、貴重な体験として今後役立

 

 

 

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